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2021.06.20

何者でもない私が、 ミャンマーで起業して、そして軽井沢にやってくるまで。

みなさんこんにちは。W ホールディングスの村上由里子です。

今、私はWホールディングスでグループ会社の経営戦略を作るお手伝いや、新規サービスの立ち上げなどを軸にお仕事をさせていただいています。この会社で、お仕事をさせていただくようになってから約3ヶ月。日本有数の別荘地「軽井沢」という、少し特殊な環境でお仕事をさせてもらうことに難しさを感じる日もありますが、会社のメンバーに支えられて楽しくお仕事をさせていただいています。

私がここにやってきたのは、まだ冬の寒さの厳しい2月1日のこと。あの朝、軽井沢に向かう荷物を詰めながら私は、ふとテレビのニュースをつけたのでした。

「アウンサウンスーチー氏、ミャンマー軍により拘束。軍によるクーデターか」

その日、早朝のニュース速報では、「ミャンマー」で軍事クーデターが起こったことが第一報として報道されていました。おそらく、この記事を読んでくださっている方の多くにとって「ミャンマー」はあまり身近な国ではないでしょう。しかし、このアジアの片隅で起こったニュースは、私にとっては一大事。

その理由は、私のもう一つの仕事にあります。実は私、ミャンマーで会社を経営をしているのです。

今回は、私がどうしてミャンマーで仕事をしているのか、そしてどうしてワタベアンドカンパニーでお仕事させてもらうことになり、これからどのような仕事をしていきたいのか、お話したいと思います。

 

⬛︎ 何者でもない私が、ミャンマーで起業するまで

私のミャンマーの会社「HerBEST」は、お掃除やお洗濯などのハウスキーピングサービスを提供する会社です。2016年、私が28歳の時に起業しました。

ここに至るまで、人生紆余曲折あるわけですが、少し長くなりますので、ある程度割愛させてもらいますが、私がミャンマーでハウスキーピングの会社を起業している目的は大きく3つです。

 

理由1.「メイドさん」の抱える問題を解決したい

日本ではあまり馴染みがないように思われるメイドさんですがアジアでは、富裕層の方がメイドさんを雇っているというのは、よくあることです。仕事内容はお料理やお洗濯、子供のお世話まで多岐にわたります。

日本でも近年、共働き家庭の増加により、家事代行サービスが利用されるようになりました

が、アジアのそれとは、少し違うように私は思います。

例えば、ミャンマーでは、メイドさんは「使用人」のように扱われてしまうこともあります。

メイドさんの多くは、十分な学校教育を受けていない、貧しい家庭出身の若い女性です。給料は8000円/月ほど。何の保証もないまま、住み込みで働く労働環境は良くなく、雇用主からの暴力や性被害にあってしまうこともあります。そんな背景から、メイドさんは、最も就きたくない仕事のひとつとして捉えられているのが現状です。

ミャンマーの女性たちをフルタイムで雇用し、安全に働くことのできる場所を、そしてスキルに見合った賃金を受け取ることのできる仕組みを作っていくと言うことは、多くのミャンマー人の女性にとって、自分の人生を切り開く一本の道筋になるのではないかと思っています。

 

理由2. ビジネスパーソンの生活を整えるインフラになりたい

ミャンマーは民政化移行移行、アジア最後のフロンティアとも呼ばれ、ビジネスの場としても

注目されてきました。(今回のクーデターで暗礁に乗り上げることになるのですが…過去形で書かなければいけないことに憤りを覚えます)

街は活気に満ち溢れ、人々は明るい未来に希望を持っていました。国を作っていく上で、自国の経済(ビジネス)の発展は必要不可欠。海外からも多くの企業が進出し、ミャンマー国内でも新しいビジネスが立ち上がってきていました。

しかし、そもそもミャンマーで生活をすること自体が容易いことではありません。

軍事政権下でほぼ鎖国状態だったミャンマーは、インフラが整っているとは言えず、お家のトラブルは絶えません。雨季にはカビが大量発生し、道端にはゴミが落ちています。野犬も多いので道を歩くのも注意が必要ですし、車に乗れば酷い交通渋滞にはまってしまうことも日常茶飯事。生活自体に多くのストレスが伴います。そんな環境のなか、少しでも生活を楽にしようと海外の人や、若者を中心にハウスキーピングのサービスを利用したい人が増えていますが、メイドさんを雇うこと自体も実はリスクが伴います。サービス中にものを盗まれてしまったり、お掃除のクオリティが伴わないなど、トラブルは絶えません。

だからこそ、ミャンマーの未来を作っていくビジネスパーソンたちに寄り添うサービスを作りたいと考えました。お家の中の悩み事は全て忘れてもらい、彼ら/彼女らが、仕事に集中することのできる環境を一緒に整えることで、ミャンマーという国の発展を家事という形で、後押しすることができると考えています。

 

理由3. 事業を通して国の文化を作ることに貢献したい

メイドさん側、お客様側双方に、さまざまな問題が発生するメイドさん事情。それをひとつずつ紐解いて、解決していきながら、

やっぱり私がミャンマーを選んだ一番の理由はこれではないだろうかと思います。ひとつの国が、「今変わろう」というタイミングにいて、それぞれが未来を作り変えようと努力をしている国がミャンマーです。そんな国で会社を経営することは、会社という枠を超えて、その国に対して「あたらしいメイドさん文化」を作っていくことのできるチャンスだと感じました。家事代行というサービスが、より便利に、生活に寄り添ったものとなることで、メイドさんの持つイメージや労働環境を塗り替えていく。そんな挑戦をしてみたいと思っています。

 

次回、「ワタベアンドカンパニーとの出会い」に続く・・・